赤ら顔/酒さ
酒さとは?
酒さ(しゅさ)は、顔の赤みやほてり、小さな赤いブツブツ(丘疹・膿疱)を特徴とする慢性的な皮膚疾患です。症状が進行すると、毛細血管が拡張し、赤みが持続的になります。さらに、鼻の皮膚が厚くなったり、目の充血や違和感などの症状を伴うこともあります。欧米では比較的多く見られる疾患ですが、日本でも認識が広がり、治療を受ける人が増えています。
酒さの原因
酒さの発症原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。
- 外部環境の影響:紫外線、高温・低温、湿度の変化
- 生活習慣の影響:飲酒、刺激の強い食べ物(辛い物・熱い飲み物)、ストレス
- 遺伝的要因:家族内での発症傾向
- 皮膚バリア機能の低下:敏感肌の人が発症しやすい
- ダニの影響:皮膚に生息する「ニキビダニ(Demodex)」の異常増殖
酒さの種類と特徴
酒さは進行度や症状によって、以下の4つのタイプに分類されます。
①紅斑毛細血管拡張型酒さ
- 顔全体に赤みが現れ、ほてりやヒリヒリ感を伴う
- 毛細血管の拡張が目立ち、赤みが持続することがある
- 温度変化やストレスで悪化しやすい
②丘疹膿疱型酒さ
- 赤みのある部分に小さな赤いブツブツ(丘疹)や膿を持った発疹(膿疱)が発生
- ニキビに似た症状だが、毛穴の詰まりとは異なる
- 炎症が強く、皮膚のヒリヒリ感が増す
③瘤腫型酒さ(鼻瘤)
- 皮膚が厚くなり、鼻が大きく隆起する
- 毛穴が拡大し、皮脂分泌が活発になる
- 進行すると、鼻の形状が変化することもある
④眼型酒さ
- 目の充血、乾燥、異物感を伴う
- まぶたや角膜に炎症が生じ、視力に影響を与えることもある
酒さの治療方法
酒さの治療は、症状の進行度やタイプに応じて異なります。
症状を診察して、適切な治療を選択していきます。
1.外用療法
- アゼライン酸
- メトロニダゾール(抗炎症作用)
- 低刺激のスキンケア用品の使用
2.内服療法
- 抗生剤(テトラサイクリン系など)
- 抗炎症作用を持つビタミン剤、トラネキサム酸
3.レーザー・光治療などデバイス治療
- IPL(光治療):毛細血管の拡張を抑え、赤みを改善
- ニードルRF(サーマニードル):赤みの改善
4.生活習慣の改善
- 紫外線対策(日焼け止めの使用)
- 刺激物(辛い食べ物・アルコール・カフェイン)の摂取を控える
- ストレス管理(十分な睡眠・リラクゼーション)
酒さのスキンケア
酒さの肌は敏感なため、適切なスキンケアが重要です。
- 刺激の少ない洗顔料を使用し、強くこすらない
- 保湿を十分に行い、肌のバリア機能を高める
- 紫外線を避け、日焼け止めをこまめに塗る
よくある質問(FAQ)
酒さは完治しますか?
酒さは慢性的な疾患ですが、適切な治療を行うことで症状を抑え、コントロールすることが可能です。
治療にはどれくらいの期間がかかりますか?
軽度の症状であれば数週間~数か月で改善が期待できますが、長期間にわたる治療が必要なケースもあります。
酒さを悪化させる要因は何ですか?
紫外線、極端な温度変化、ストレス、アルコール、刺激の強い食べ物などが悪化要因として知られています。
さいごに
酒さは、顔の赤みやほてり、小さなブツブツが特徴の皮膚疾患で、慢性的に症状が続くことが多いです。原因は完全には解明されていませんが、外部環境、生活習慣、遺伝的要因が関与していると考えられています。症状に応じた治療法を選択し、スキンケアや生活習慣の改善を行うことで、症状を抑えることが可能です。正しい診断と治療を受けるためにも、皮膚科を受診することが大切です。