わきが
わき汗のにおいが気になる場合、形成外科での専門治療が可能です。
腋臭症について
アポクリン腺が主な原因
腋臭症のにおいの主因は、腋(わき)に存在するアポクリン腺から分泌される汗です。
この汗にはタンパク質や脂質が含まれ、それが皮膚表面の常在菌によって分解されることで、独特のにおいが生じます。
わき毛の影響
- わき毛が多いと、汗が毛に留まりやすく、腋の湿度が高まる原因となります。
- 高い湿度の環境は細菌が繁殖しやすく、においの元となる物質の生成が増加します。
遺伝的および生理的要因
- アポクリン腺の発達には遺伝的要因が大きく関与しています。
- 性ホルモンの影響もあり、特に思春期以降に腋臭症が発症することが多いです。
その他の影響要因
精神的要因
ストレスや緊張により、汗の分泌量が増えることがあります。
運動
スポーツや身体活動による発汗もにおいの原因に繋がります。
腋臭症の治療
上記の要因が重なることで、腋臭症の症状が現れる場合があります。
症状を軽減するための対策としては、以下のような方法があります。
診察時に、においの程度などにより治療方法を選択します。
制汗剤、デオドラント商品
汗を抑えることで、わきのにおいを抑えます。
当院では、医療機関専売品の制汗剤を準備しております。
わき脱毛(自費治療)
毛量を減らすことで、わきの湿潤環境を改善させ、細菌の繁殖を抑えます。
多汗症治療
腋窩多汗症がある場合、わき汗を減らすことで、においの発生を抑えます。外用剤とボトックス注射があります。
外用剤(保険適応)
抗コリン薬の外用によりわき汗の発生を抑制します。
ボトックス注射(自費治療)
ボツリヌス菌毒素の注射によりわき汗の発生を抑制します。
手術<剪除法>(保険適応)
手術により、原因となっているアポクリン腺を切除する方法です。
手術のメリット
- 上記の方法よりも根本的な治療で、持続的な効果が得られる。
- 保険適応の治療で十分な効果が得られる。
デメリット
- わきにきずあとができる。
- 術後1~2週間わきが動かないように制限する必要がある。
- 血腫、皮膚潰瘍・皮膚壊死等の合併症リスクがある。
- 完全に臭いを消すことはできない(個人差があり)。
手術の流れ
診察
腋臭症の程度を診察し、治療方針を決定します。
基本的に別日での手術となります。
手術前日までに自身でわきの剃毛を行ってください。
手術
わきに局所麻酔を注射します。
皮膚を4~5cm程度切開します。
皮膚を剥離し、アポクリン線を確認し、切除していきます。
皮膚を縫合し、ドレーン(血抜きの管)を留置します。
圧迫のためにタイオーバー固定を行います。
ガーゼとテープで固定を行います。
術翌日
外来にて出血の程度を確認します。
術後3~5日目
タイオーバー固定を外します。
術後1~2週目
創部状況を確認しながら抜糸を行います。
脇の動きの制限は術後2週間継続する必要があります。
*術後、脇の動きを制限する必要があるため、片側ずつの手術とさせていただきます。
術後1~2カ月でもう片側の手術が可能です。
よくあるご質問
腋臭症の治療は保険適用ですか?
はい、当院の腋臭症手術は健康保険が適用される術式です。
ボトックス注射、制汗剤、わき脱毛は自費治療となります。
腋臭症の治療の目的は何ですか?
完全にわきの臭いをとることはできません。
臭いを軽減させることが治療のゴールとなります。
手術時間はどのくらいですか?
片側1時間程度です。
手術の合併症を教えてください。
腫脹、皮下出血斑(内出血)、出血、血腫、感染、皮膚潰瘍、皮膚壊死、きずあと(切開線や色素沈着など)、感覚障害(しびれ、知覚鈍麻)、瘢痕拘縮、糸の露出 などがあります。
手術の料金はどのくらいですか
健康保険の種類によってご負担金額は異なります。
3割負担 約20,610円(片側)
1割負担 約6,870円(片側)
*両側の場合、2倍となります。
*別途、診察料、血液検査、お薬代等が発生します。