ニキビの病態と原因

ニキビができる原因は皮脂分泌の増加、毛穴のつまり、アクネ菌の増殖などが関係しています。
ニキビは皮脂腺が発達し、皮脂が多すぎたり、毛穴の出口がつまったりすることで、毛穴の外に皮脂が出られずにたまってしまうことから始まります。

• 皮脂の過剰分泌：性ホルモンの分泌が思春期で活性化したり、ストレスでホルモンバランスが乱れたり、食生活の影響で皮脂が多く分泌される。
• 毛穴の詰まり：皮脂腺の発達やターンオーバーの乱れによる角質の異常な増殖で、毛穴が塞がれる。
• アクネ菌の増殖：毛穴に溜まった皮脂を栄養源にするアクネ菌が増え、炎症を引き起こす。
• 炎症：赤みや膿を伴うニキビに進行し、炎症後の色素沈着や瘢痕の原因となる。

ニキビの炎症が長引くと、ニキビ跡（赤み、色素沈着、クレーター）の発生に繋がるため、炎症をいち早く落ち着かることが重要です。　

ニキビ跡についてはこちら

保険適用のニキビ治療

1.外用薬

ベピオゲル（過酸化ベンゾイル）

• 角質を柔らかくして毛穴の詰まりを改善し、アクネ菌を殺菌する作用。
• 乾燥しやすいので、保湿ケアが必要。

ディフェリンゲル（アダパレン）

• 毛穴のつまりを防ぐレチノイド（ビタミンA誘導体）。
• 使い始めに赤みや皮むけが出ることがあるが、慣れると改善。

エピデュオゲル（ベピオ + ディフェリンの合剤）

• 角質を剥がしながら毛穴の詰まりを防ぐため、強力なコンビネーション治療。

デュアック（ベピオ + 抗菌薬ダラシン）

• 赤ニキビの原因となるアクネ菌に対して効果的。

ダラシンTゲル / アクアチムクリーム / ゼビアックスローション

• 抗菌作用があり、炎症期の赤ニキビ向け。
• 長期使用は耐性菌のリスクがあるため、医師の指示に従う。

2.内服薬の役割

抗生物質（ミノサイクリン、ドキシサイクリン）

• 炎症を抑え、赤ニキビを改善。
• 長期間の使用は腸内環境への影響や耐性菌の問題があるため、適切な期間で使用。

漢方薬（十味敗毒湯、清上防風湯 など）

• 体質改善を目的とした治療。皮膚の炎症を抑えたり、ホルモンバランスを整える。
• 冷え性や便秘がある人には、体質に合った漢方を処方。

3.生活習慣の改善

正しい洗顔

• 1日2回、低刺激の洗顔料で洗う。ゴシゴシ洗いは逆効果。
• 皮脂を取りすぎると乾燥し、余計に皮脂が分泌される。

スキンケア

• 保湿をしっかり行い、皮膚のバリア機能を整える。
• オイルフリーの化粧品を選ぶ。

日焼け対策

• 紫外線は炎症を悪化させ、色素沈着の原因になるため、SPF30以上の日焼け止めを使用。

食生活

• 高GI食品（白米、パン、砂糖を多く含む食品）を控える。
• ビタミンB群（皮脂のコントロール）、ビタミンC（抗酸化作用）、亜鉛（皮膚の修復）を積極的に摂取。

4.自費治療との違い

保険診療のメリット

• 費用を抑えて長期的に治療できる。
• 軽度〜中等度のニキビには効果的。

保険診療の限界と自費治療の活用

• 「より早く治したい」「ニキビ跡を予防・改善したい」場合は自費治療を検討。
• ピーリング、レーザー治療、美容点滴などを組み合わせることで、より高い効果を期待できる。

自費診療のニキビ治療

自費診療では、より高度な治療法を選択でき、ニキビの改善だけでなく、美肌効果も期待できます。特に、重度のニキビ、ニキビ跡、即効性を求める場合におすすめの治療法をご紹介します。

 1.ケミカルピーリング

サリチル酸マクロゴールピーリング

• 効果:
  
  • 古い角質を除去し、毛穴の詰まりを防ぐ
  • 皮脂の分泌を抑える
  • 肌のターンオーバーを促進し、ニキビ跡の改善
• 特徴:
  
  • 従来のピーリングよりも刺激が少なく、安全性が高い
  • 炎症を起こしにくいため、敏感肌でも施術可能

2.光治療（IPL）

IPL（Intense Pulsed Light）

• 効果:
  
  • アクネ菌の殺菌
  • 皮脂分泌の抑制
  • 炎症を抑え、赤みを改善
• 特徴:
  
  • 500nm台前後～1200nm前後の幅広い光を使用し、複数の皮膚トラブルに対応
  • ニキビ跡の赤み・色素沈着にも効果的
  • 美白効果も期待できる

3.エレクトロポレーション（2025年9月より導入予定）

美容成分を肌の奥まで浸透させる

• 効果:
  
  • 炎症や赤みを改善
  • 肌のバリア機能を強化
  • 美肌成分をしっかり届ける
• 特徴:
  
  • 注射を使わずに美容成分を導入できるため、痛みがない
  • ビタミンC・トラネキサム酸など、ニキビ跡ケアにも適した成分を導入可能

4.美容点滴

抗酸化作用と美肌効果を両立

• 効果:
  
  • 皮脂分泌のコントロール
  • 炎症を抑え、ニキビの悪化を防ぐ
  • 美白成分でニキビ跡の赤み・色素沈着を改善
• 代表的な成分:
  
  • ビタミンC → 抗酸化作用で皮脂を抑える
  • グルタチオン → メラニンを抑え、ニキビ跡を改善
  • プラセンタ → 肌の修復・炎症改善

5.医療専売化粧品

ノンコメドジェニックのスキンケア商品をご用意

• ニキビを悪化させないスキンケアを提供
• 肌荒れ時の適切なスキンケア選びをサポート

スキンケアに悩んでいる方は、お気軽にご相談ください！

どの治療を選ぶべき？

症状	おすすめの治療法
軽度〜中等度のニキビ	保険診療（外用薬・内服薬）
炎症が強いニキビ	IPL、エレクトロポレーション
毛穴の詰まりがひどい	ケミカルピーリング
ニキビ跡（赤み・色素沈着）	サーマニードル、IPL、美容点滴
即効性を求める	ピーリング＋IPLの併用

• ニキビ治療には、保険適用の基本治療と、自費による高度な治療の2種類があります。
• 症状の重さや希望する効果に応じて、最適な治療法を選びましょう！
• まずは皮膚科・形成外科に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。

当クリニックでは、患者様の肌質や生活習慣に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。お気軽にご相談ください！